冬に「暖房を動かしてもなかなか部屋が暖まらない」原因の一つは、低気密にあります。省エネエアコンを買ったのに、思ったほど電気代が安くならないのは、見えない隙間から空気が勝手に出入りしているためです。エアコン温度をさらに上げれば電気代も上がり、省エネエアコンも無意味です。断熱気密性を高め外気の影響を無くすことが、省エネの秘訣なのです。
【断熱気密性の差による暖房費の違い】
断熱気密性を高めると省エネ化に
下の図では断熱気密性の違いによる暖房費が比較されています。年間冷暖房費を、等級1と等級4で比べてみるとその差がはっきりとわかります。気密性を高くすると、室内と屋外の間で「空気の出入り」を抑え、断熱性能も発揮できるようになります。そのため冷暖房の効きが良くなり、より省エネになるのです。
図が入る
【エアコンの特性を理解する】
エアコンの消費電力は例えば冬場の場合ですと、室内温度が低い状態では非常に大きくなる特徴があります。これはエアコンがスイッチを入れた直後に高い電力を供給して強力な暖房能力を発揮させ、短時間で設定温度に達しようとするからです。室温が設定温度まで調整された後は、送風運転に近い運転となり、消費電力は低くなります。高断熱高気密化により無暖房状態でも、ある程度暖かい室内空間を実現することは、まさに省エネ化に直結するのです。
【体感温度】
体感温度に影響を及ぼす表面温度
体感温度は放射によって自分の体と接触していなくても、周囲の「表面温度」による影響を強く受けます。つまり同じ気温でも、周囲の表面温度が高ければ暖かく、低ければ寒く感じるのです。
夏涼しく、冬暖かい家のポイント
断熱性能が低いと夏は表面温度が上がり、冬は下がってしまいます。気密性能が低いと、エアコンで暖めた空気や冷たい空気が隙間から漏れ、十分な性能を発揮できないばかりか電気代も高くなってしまいます。しっかりとした断熱気密が重要なのです。
【身近で感じる体感温度】
例えば夏の暑い時期、都会でコンクリートのビル群の中にいる時と、近くの緑に覆われた公園でちょっと休憩した時とを比べると、公園の方が涼しく感じた経験はありませんか? これは公園の樹木などの表面温度が、ビルのコンクリートに囲まれた表面温度より低いことに理由があります。
高断熱高気密化により表面温度の上昇(下降)を防ぐことで、省エネになるばかりか、1年中快適な住環境を実現できます。