高断熱高気密住宅にする大きなメリットの一つは計画換気を可能にする点です。現在は24時間換気が義務化となっており、室内に新鮮な空気を確保し、汚染物質や臭いなどを除去することが重要となります。低気密の住宅では隙間からの空気が計画的な換気を妨げてしまう点に注意しましょう。
【計画換気の概要】
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機械換気設備で新鮮な外気を取入れ、希釈するようにゆっくりとまんべんなく空気が入れ替わることによって、空気質のクオリティーが格段に上がります。
【気密と換気の関わり】
換気経路に大きな影響を与える住宅の気密性能
2003年に改正された建築基準法では居室の空気環境を清浄に保つために計画的な換気を行い、1時間当たり居室空間全体の半分の空気(0.5回/h)を換気することが求められています。給排気口や換気装置により、室内の圧力分布をコントロールすることで、クリーンゾーン(居間や寝室など)からダーティーゾーン(トイレなどの特定の汚染物質が発生する部屋)へと空気の流れを創出します。しかし、気密性能が低い住宅では、住宅内部の目に見えない隙間から空気の流出入が絶え間なく起きています。そのため、居室内部の圧力分布を狂わせ、換気経路に悪影響を及ぼしかねません。隙間から空気が流出入すると、給気口からの給気量が減ります。この結果、想定通りの換気が行えなくなり、汚染された空気が室内に残ってしまうなど、計画的な換気が難しくなります。
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【子どものアレルギーの原因】
換気がされていない家ではダニやハウスダスト、結露によるカビ、花粉など汚染された空気が充満しています。その結果小さな子どもがアレルギーを発症する原因となります。計画換気で室内の空気質を高めましょう。